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第7回子どもの内側縦足弓が安定するのは何歳? アーチの発達に有益な履物とは

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足底にかかる体重を分散する、足のアーチ。なかでも、「土踏まず」を形成する縦アーチは、歩行に大きく関わる大切なものです。
そんな足の内側縦アーチは、子どもたちの成長過程において何歳くらいで安定するのでしょうか? また、日常的に履いている靴の種類はアーチの発達と関係があるのでしょうか?
今回は、米国理学療法協会(APTA)の学会誌『フィジカル・セラピー』より、小児における内側縦足弓の発達度合いと、それに対する靴の影響について調べた論文をご紹介します。小規模なコホート研究のため結果を断定するような記述は避けられていますが、ぜひ参考にしてください。

Medial Longitudinal Arch Development of Children Aged 7 to 9 Years: Longitudinal Investigation

7〜9歳の小児における足の内側縦アーチの発達:縦断的調査

Jasper W.K. Tong, KK Women’s and Children’s Hospital, Nanyang Technological University
Pui W. Kong, Nanyang Technological University

研究テーマ

小児の足の内側縦アーチ(内側縦足弓)が安定する年齢は、明らかではありません。また、その発達における履物の影響も知られていません。
この研究の目的は、「小児の内側縦足弓の発達」ならびに「履物の種類と内側縦足弓の発達との関係」について、縦断的アプローチによって調査することです。

研究方法

研究対象は、平均年齢6.9歳(標準偏差=0.3)の健康な小児111人です。子どもたちを、以下の3つのパラメータで評価しました。

  • アーチインデックス
    (床への接着面積から計算する足弓の評価数値:数値が低いほどアーチが高い)
  • 中足部の最大圧
  • 足の最大力

評価は動的な負荷測定から抽出したものであり、測定を行ったのは「コホート観察開始時(ベースライン)」「開始から10ヵ月後」「開始から22ヵ月後」の3回です。履物の使用状況については、アンケートで情報を収集しました。また、時間の経過にともなう内側縦足弓の変化を調べるために、線形混合効果モデルを用いました。

研究結果

小児の内側縦足弓は、時間が経過するとともに安定していきました。小児の性別に着目した場合、男子のアーチインデックスは年齢とともに減少する(アーチがより高くなる)傾向がありました。また、6.9歳の時点において、男子は女子と比べアーチインデックスが平均0.02高いことから、内側縦足弓が女子よりも平らであることがわかりました。
履物と内側縦足弓発達の関係については、ベースラインにおいて爪先を覆われた靴を履いていた小児の内側縦足弓が総体的に最も低いという結果が出ました。履物の種類ごとに見たベースラインのアーチインデックスは以下の通りです。

  • 爪先の覆われた靴 0.26 (信頼水準95%、信頼区間0.24~0.28)
  • サンダル 0.24 (信頼水準95%、信頼区間0.23~0.25)
  • スリッパ 0.25(信頼水準95%、信頼区間0.24~0.26)

さらに、歩き始めの幼児期にスリッパを履いていた小児は、サンダルを使っていた小児より、学童期において中足部の最大圧が高い(アーチが低い)という結果が出ました。その差は平均31.60キロパスカルで、信頼水準は95%、信頼区間は1.44キロパスカルから61.75キロパスカルでした。

結論

内側縦足弓は、7~9歳の間に安定することがわかりました。また、性別や幼少期の履物の種類は、内側縦足弓の発達に影響している可能性があります。

研究の限界

使用した履物の種類についての情報は、自己申告によって得たものです。このため、申告者の記憶に偏りがあった場合、提供された情報はその影響を受けたと考えられます。

Reprinted from Phys Ther. 2016;96(8):1216-1224, with permission of the American Physical Therapy Association. ©2016 American Physical Therapy Association. APTA is not responsible for the translation from English.
(この記事は、米国理学療法協会(APTA)の学会誌『フィジカル・セラピー』96巻8号1216 ~1224頁に掲載された論文の概要を翻訳したものであり、セラピストプラスが同協会の許可を得て作成および掲載しています。論文概要の著作権はAPTAにあると同時に、同協会は翻訳文について一切の責任を負いません。)

参考URL

米国理学療法協会・学術誌 『Journal of the American Physical Therapy Association』


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