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第18回理学療法士養成校の学生がブラインドサッカー選手になるまで

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診療所勤務のかたわら、ブラインドサッカー日本代表チームのメディカルスタッフとしても活動する理学療法士の阿部良平さん。ブラインドサッカーとの出会いは、理学療法士の養成校時代でした。自分のイメージする「障害者」と選手たちのプレーとの違いに驚き、自身もGKとして日本代表選手を目指すまでにのめり込んでいきます。

「見えない」人たちが全力でするサッカーは想定外の迫力

私は小学生の頃からサッカーをしていました。そうした中でブラインドサッカーを初めて知ったのは、横浜リハビリテーション専門学校時代に代表チームの合宿を見学したことがきっかけです。
 
視覚障害のある選手たちは、当然ですがボールやピッチの様子を見ることができません。ですから「障害のない選手のスポーツとは違う」と自分のなかで線を引いていました。サッカーといっても目の見えない人たちがゆっくり動いている感じだろうと想像していました。
 
ところが実際に練習を見て、想像との違いにとても驚きました。選手は全力で走るし、身体がぶつかり合うコンタクトプレーもすごい迫力。自分の想定よりもはるかに上をいく激しいスポーツでした。選手たちはボールが見えているかのように走り、パスをして、ドリブルからシュートを決めました。
 
ブラインドサッカーは視覚障害者のスポーツのなかでも特殊だと思います。ネットを挟んで対戦するのではなく、相手との接触があります。そうした相手をかわしてボールをゴールまで運ぶ動きは、私がイメージしていた「視覚障害者」を超える激しさでした。

視覚障害の世界を知るきっかけに

その後、これまでのサッカー経験を買われ、八王子を拠点に活動しているブラインドサッカーチーム「たまハッサーズ」でのプレーに誘われます。実際に選手たちとプレーしてみると、視覚障害者は自分が思っていたような「何もできない」人たちではありませんでした。
 
手助けを必要とすることもあるけれど、大抵のことは自分でできます。もちろん選手にもよりますが、練習でも手取り足取りサポートするような必要はなく、状況を言葉で説明するだけで理解できます。サッカーに限らず生活面でも、私はこれまで視覚障害者にとても低いレベルで線を引いてしまっていたことに気づかされました。
 
視覚障害者が頭のなかでどのように周囲の状況をイメージしているのか、それは先天性障害と見えていた経験のある中途障害でも違うようです。サッカーでボールやプレイヤーの位置をイメージするような空間認知は先天性障害の選手の方が長けているかもしれません。
 
私は当初、ゴールキーパーとして参加しましたが、今はアイマスクを装着してプレーヤーとしてプレーしています。何も見えない状態ではピッチでの各選手の位置、自分が思い描いているピッチのイメージ、さらに他の選手の思い描くイメージが一致しなければチームプレーができません。それが難しさであり、面白さでもあります。
 
2010年シーズンにはゴールキーパーの強化指定選手として日本代表チームの選考合宿に参加しました。そして2011年に代表チームのスタッフにならないかと声をかけていただきました。2012年からはコーチとして代表チームに携わり、2016年からはブラインドサッカー協会のメディカルスタッフとして日本代表合宿や日本選手権で仕事しています。(次回へ続く

安藤啓一

安藤啓一(あんどう けいいち)

福祉ジャーナリスト。大学在学中からフリー記者として活動を始める。1996年アトランタパラリンピックをきっかけに障害者スポーツの取材をはじめる。夏冬パラリンピックや国内大会を多数取材。パラリンピック関係者に読み継がれている障害者スポーツマガジン「アクティブジャパン」「パラリンピックマガジン」記者などを経験。日本障がい者スポーツ協会発行誌『No Limit』などの媒体にも寄稿している。取材活動のほかチェアスキー教室講師としてもスポーツに取り組んできた。共著に「みんなで楽しむ!障害者スポーツ」(学習研究社)がある。


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